きめたおしのひとりごと

自分が楽しんだできごとを気ままに綴ります

日本浮世絵博物館 「浮世絵でたどる 信州ゆかりの武将と名所」展(後期)ギャラリートーク

2022年3月18日(土)

 

「浮世絵でたどる 信州ゆかりの武将と名所」後期展に行ってきました。ギャラリートーク付きです。

 


3月の特別展示は広重の「名所江戸百景 真崎辺より水神の森内川 関屋の里を見る図」。

半円状のフレームに切り取られた隅田川西岸の風景がのどかな早春の風景を伝えています。

f:id:kimetaoshi:20230324154320j:image


国貞「梶原源太景季 佐々木四郎高綱」。

二人の武将がと宇治川の流れが荒々しく描かれており、躍動感たっぷりです。

f:id:kimetaoshi:20230324154335j:image


国芳の「宇治川先陣争」。

典型的な武者絵のように、主人公たちが決めポーズを取っているかのようです。

f:id:kimetaoshi:20230324154353j:image


一方、おなじく国芳の「宇治川合戦之図」。

宇治川先陣争」とはことなり、首まで宇治川に浸かりながら馬を進めていく場面ですが、川の深さと渡河の困難さが否応にも伝わってきます。

f:id:kimetaoshi:20230324154407j:image


芳藤の「木曽義仲ノ妻巴御前」。

なかなかお目にかかれない絵師の図ですが、薙刀を手挟んだ巴御前は、江戸庶民が思い浮かべる典型的な巴御前像だったのでしょう。

f:id:kimetaoshi:20230324154419j:image


月岡芳年「新形三十六怪撰 二十四孝狐火之図」。

八重垣姫が諏訪法性の兜を手に落ち延びて行く場面ですが、八重垣姫の着物の襟や裾と諏訪法性の兜にそれぞれ異なる模様の空刷りが施されており、手の込んだ一品となっています。

f:id:kimetaoshi:20230324154433j:image


木曽街道六拾九次からは、長野県エリアの宿場絵の中から抜粋した展示。

英泉の「木曽街道塩尻嶺諏訪ノ湖水眺望」。

凍結した諏訪湖の湖面を渡る旅人が描かれ、いつ見ても冬景色ながら暖かみを感じる逸品ですね。

f:id:kimetaoshi:20230324154451j:image


次回展示は「江戸と諸国名所」。旅情溢れる浮世絵が見られることを楽しみにしたいと思います。