きめたおしのひとりごと

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大阪浮世絵美術館 「写楽と珠玉の浮世絵」展

大阪浮世絵美術館 「写楽と珠玉の浮世絵」展

 

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2022年12月18日(日)

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写楽の二点を見ようと思い立ち、大阪浮世絵美術館へ。商店街の中の商業ビルの中ということもあって、思わず通り過ぎてしまいそうになりましたが、何とか館内へ。階上へ向かうと、左手に展示室、右手にミュージアムショップがありました。

 


まず目に付いたのは北斎による柱絵。七福神を細長い縦の用紙いっぱいにレイアウト。賑やかでバランスの良い構図は外国人を驚かせたそうです。

 


この美術館の展示品も、他館に負けず劣らず色が鮮やかです。中折れしているものもありますがあまり目立ちません。

 


豊国の今源氏錦絵合わせや広重の浪花名所図会 順慶町夜店之図も色の鮮度が高いです。

 


ルーペをお借りして、細かい摺りの技術、特に空摺り(人力のエンボス加工)の様子を細部まで観察します。水野年方 蛍狩なども美しい空摺りが見られます。

 


歌川貞秀の源平一ノ谷大戦高名之図は忠度を中央に配し、決戦の様子を迫力ある3枚もので表現。

 


歌川貞秀の大阪名所一覧は遠方に天保山、右方に大阪城内へ向かう大名行列を描く、9枚ものの大作。

 


そしてお目当ての「八世守田勘弥の駕籠舁 鶯の治郎作」「三世坂東彦三郎の鷺坂左内」。黒雲母摺の重厚な背景に、くっきりと大首が浮かび上がります。守田勘弥の苦み走った表情や、坂東彦三郎のやや童顔な目元など、迫真の筆で表現されており、何度も見入ってしまいました。

 


他にも東海道五拾三次や富嶽三十六景など、コンディションの良いものが多く揃っており、大変見応えのある展示でした。

 


ミュージアムショップの方もかなり充実しており、中でも江戸時代当時に摺られた(複製品ではない)本物の浮世絵が販売されているところは出色でしょう。

 


外観からは想像がつかないほど、充実した特徴ある展示をされる美術館でした。

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