バッハ・コレギウム・ジャパン 松本公演
2022/12/23(金)
バッハ・コレギウム・ジャパン 松本公演
鈴木 雅明 指揮
2022/12/23(金)18:30開演
バッハ・コレギウム・ジャパンが5年ぶりに来松。来松自体、歴史的ですが、前回公演がバッハの「マタイ受難曲」で、今回はヘンデルの「メサイア」。BCJメサイアは東京や軽井沢で何度も聴いていますが、今回は私の大好きな松本市音楽文化ホールでの演奏。知る人ぞ知る良音響のホールです。シーズン的にもメサイアにピッタリの時期で、期待は高まりました。
メサイアの響きと言えばほの暗さと明るさが同居したようなところが特徴的ですが、本日のBCJは急ぎ過ぎずもたれすぎずの明快なテンポで進みました。各チャプターの後半に向かい祝祭的な雰囲気が高まって行き、各終曲では暖かくなだらかな頂点を築き上げ、聴衆を優しい幸福感で包むのでありました。
終演は21:30頃でしたが、聴衆はほとんど帰路に急がず、座席から惜しみない拍手を送っていたのが印象的でした。
個人的にMVPはアレクサンダー・チャンスさん(アルト)。ピュアでありながらとても芯の通った歌唱が大変印象的で、低音部の声部が痩せないところなんかも素晴らしい。この方の「マタイ」も聴いてみたいなと思いました。
大西宇宙さん(バス)も豊かな声量と深みのある表現で、心を惹きつけるチカラがあるなと思いました。
バロック・トランペットのジャン=フランソワ・マドゥフさん。輝かしくも温かみのある、天井から(1部ではまさにバルコニーから)降ってくるような音色には耳も目線も釘付けになりました。
私が聴いたBCJのメサイアの中で、今夜がいちばん感動したかも知れません。
アンコールはルロイ・アンダーソン作曲、鈴木優人編曲の「クリスマス・キャロル」。こちらも異次元のハーモニーでした。
今回も歴史を作ったBCJ。マタイの時も言いましたが、ぜひ松本公演を定期演奏会化して欲しいものです。(笑)